坂本社労士のブログ

「非正規雇用問題」に取り組むための「望ましい働き方ビジョン」   ( 2012.04.08 )

厚労省は非正規雇用問題に取り組むための「総合的ビジョン」の策定のため見当を重ね、「望ましい働き方ビジョン」をまとめた。ポイントは以下の10点

1 有期、短時間、派遣など非正規雇用に共通する課題に対して、政策の方向性を提示。
2 正規、非正規という二つの考え方を超えて、雇用労働の「安定」「公正」「多様性」と企業経営の「自由」との共存を実現するという理念を提示。
3 社会保障制度を支えることや、労働者の士気や能力向上を通じて、企業の生産性の向上や経済社会全体の発展にもつながるという非正規雇用対策の意義を強調。
こうした「好循環」を創り出すためには、経済の活性化とともに、特に、社会全体の人材ニーズに応じた人材育成が重要であることを強調。
4 非正規雇用問題への基本姿勢として、雇用の在り方として、①期間の定めのない雇用、②直接雇用、
③均等・均衡待遇をはじめとする公正な処遇の確保が重要であることを提示。
5 「不本意非正規就業者」(全体の22.5%、約395万人と推計)に焦点を当て、正規雇用への転換を促進することを強調。その際、業務や勤務地等が限定的な「多様な正社員」も視野。
有期契約が非正規雇用の大半に共通する特徴であることを踏まえ、有期契約の無期化を進め、まずは雇用の安定を確保。その上で、技能を蓄積し、ステップアップにつなげていく。
6 非正規雇用で継続して働く労働者に対しては、均等・均衡待遇の確保を促進。こうした取組を通じて、非正規雇用
を、無業・失業状態から雇用につなぎ、正規雇用へつなげるというプラスの方向で活用していく必要性を指摘。
7 非正規雇用問題への対応に当たり、正規雇用の働き方の問題にも着目。非正規雇用で働く労働者の処遇改善やキャリア形成を進める一方、正規雇用の働き方を変えていくことで、正規、非正規の連続性を確保し、雇用形態に関わりなく「ディーセント・ワーク」を実現。
8 非正規雇用対策での「若年者雇用対策」の位置づけを明確化。「入口対策」として、学校での働くことやルールの意識付け・啓発などを含め、早い段階からの支援の重要性を強調。
9.非正規雇用対策を効果的に進める上で、現場での労使協議の重要性を強調。各企業で非正規雇用の労働者を含めた労使による話し合いの気風を醸成することが重要。
10 国、地方自治体、教育機関、企業、家庭、労働者等社会全体で望ましい働き方を実現するという強いメッセージを発出。ビジョンの策定を受け、社会的機運を高めるため、国は、率先して、制度見直しを側面支援するための環境整備等を進めていく

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