坂本社労士のブログ

奇跡   ( 2011.12.28 )

有馬記念のコマーシャル記事です(ちょっと感動しました)

オグリキャップのラストランに

本気で賭けた人間が、どれだけいただろう。

1990年12月23日、有馬記念。

オグリはきっともう勝てない。

それでも僕が単勝馬券を買ったのは、儀式だった。

この馬に見た夢を、きちんと終えるために。

ただ完走すればよかったのに。

風がやんだ。

「8」のゼッケンが見えた。

雲に似た色の馬が飛び出した。

オグリキャップだった。

息が止まった。

忘れていたことを思い出した。

叫べばまだ間に合った。

叫んだ。

忘れていいことを忘れた。

もう一度叫んだ。世界が滲んだ。

轟音におおわれて

無音とほぼ同じになった。

その馬と僕だけになった。

言葉は遅れてやって来た。

騎手が手を高く突き上げた。

誰もがその馬の名前を呼んだ。

くりかえし僕も呼んだ。

名前は、名前じゃない何か別の言葉に聞こえた。

1990年12月23日、有馬記念。

オグリキャップがラストランで勝つことを

本当に信じていた者がが、どれぐらいいただろう。

奇跡。

天から降ってくるものではなく。

この地上の瞬間がつみかさなって、

つくられるもの。

競馬はときどき、

それを僕らに見せてくれる。

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