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競合他社への転職禁止無効/「職業選択の自由侵害」 ( 2012.01.26 )
優秀な人材とノウハウの流出防止を目的に、外資系生命保険会社が執行役員との間で取り交した「退職後2年以内に競合他社に就業するのを禁止し、違反した場合は退職金を支給しない」とする契約条項の有効性が争われた訴訟の判決で、東京地裁は13日、「職業選択の自由を不当に害し、公序良俗に反して無効」との判断を示した。
原告側弁護士によると、外資系企業では保険業界に限らず同種条項を交わすケースが多く、「名ばかり管理職とされる執行役員の転職を安易に禁じることに警鐘を鳴らす判断だ」としている。
原告は「アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー」日本支店(メットライフアリコ)の元執行役員の男性。保険商品を代理販売している提携金融機関への営業を統括していた。2009年6月に退社し、翌月に別の生保に転職、アリコ社は退職金を支給しなかった。判決は、請求通り退職金約3,000万円の支払いを命じた。
光本洋裁判官は、男性はアリコ社で機密情報に触れる立場になく、転職後は異なる業務に携わっていたとして「アリコ社に実害が生じたとは認められない」と指摘。「転職先が同じ業務を行っているというだけで転職自体を禁じるのは制限として広すぎる。禁止期間も相当ではない」とした。
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